ドクン、ドクンドクンドクン・・・
騒いでいる。叫んでいる。
これは悲鳴。これは喘ぎ。
見つめている。見られている。聞こえている。聞かされている。
これは始まり。これは結末。
気付いている。解っている。知っている。考えている。
脳みそが爆発しそう。窒息しそう。酸欠で倒れそう。
気が狂いそう。踊りだしそう。
足音が聞こえる。
コツコツコツコツ・・・
近づいてくる。
コツコツコツコツ・・・
振り返れない。
コツコツコツコツ・・・
追われている。
息苦しさに目を覚ます。一体、どこからが夢でどこまでが現実?
問い質したい質問の答えはいつも自分の中。真実を知っているのは自分だけ。
例えばもし、目を覚ました時、そこにいるはずの人がいなかったら、例えばもし、この場所が忽然と消えていたら、世界は変わって行くのだろうか。
何をしなくても動いて行く。何かをしても動いて行く。
無駄な抵抗はもうなしにして、肩の力を抜いて、息をして。
壊されていく。崩されていく。
もうここは傷付きすぎて、バランスを保つ事が難しくなってきている。
どこに向かって進んでいる?
終末?
再生?
何がこんなにもここを駄目にするの?
何が本当?
何をすればいい?
身体の中の信号が熱く訴える。
何かを起こせ。真実を見極めろ。
革命が起こる。どこかで。
それでも、流されて生きてきた今の自分では何をしたいのか、解らない。
だから突き詰めていく。真実を 。
目を閉じる。眠りにつく。
これは闇。これは光。
探している。触れている。そこにある。どこかにある。回っている。巡っている。壊れやすい、
この蒼い想い。
ドクンドクンドクンドクン・・・
END 19960922