10/11/13 23:25
From ヒロ
Sub ファイナル

お疲れ大ちゃん!!(^O^)/
今日、ファイナルだっけ?
楽しんでね(^o^)/

こっちにはいつ戻ってくるんだっけ?
水曜?
こっちに帰ってきたらメールして(^o^)/

気をつけて帰ってきてね〜!!!!!!!!!!!


 −END−

 

 

 

 

メールを開いて、あ!ヒロだ!って嬉しくなったのに、なんだよ、コレ。僕の予定全然解ってないし!!
まぁ、メールしてきてくれただけでも上出来だけど。

誕生日のメール以来だもの。

もとからあんまりマメじゃない男だけど、って言うかアイツは究極アナログ男だから仕方ないけどっっ!!
僕の戻る日にち、覚えてないし!!アレだけ言ったのに、何で忘れるかな〜!!


大体ね、昔からそうなんだよ、あの男は!!
言ったじゃん!って言っても、あ、そうだっけ!?ゴメンゴメンってさ、笑って・・・それで何となくうやむやのうちにどうにかなっちゃう。
あのノーテンキな笑顔に何言っても通じないって言うか・・・。

も〜〜〜!!!バカヒロ!!忘れるくらいならちゃんと何かに書いとけよ!!

って・・・アイツ、手帳も持ち歩かないしな・・・。林さん、いっつも大変そうだもん。

メールくれたの、嬉しくないわけじゃないし、いや、むしろ嬉しいんだけど、ムカツク!!ヒロにとって、その程度?
クソ!!帰ったら絶対ネチネチ言ってやる!!!


メールに向かってブチブチ言って、それでもやっぱり嬉しいメールに顔がにやける。
も〜ヒロってば、気をつけて帰ってきてねだって♪ふふ。

「・・・気持ち悪いんだけど。」

そんな僕の様子に傍らからアベちゃんがひっくい声で言う。

「な、なにが?」

「アンタの顔。」

「ちょ、失礼じゃない!?」

「何が失礼よ。そんな百面相見せれられるほうが失礼じゃない?」

「ヒドッッ!!」

暇そうなアベちゃんは僕に来たヒロからのメールを横から覗き込んでて、こんな失礼な事を言う。

「まったくさ〜アンタも物好きよね〜。あんないい加減な男、どこがいいのよ。」

昔から何度も聞かれるこの言葉。どこって言われても、ねぇ・・・一言では言えないよぉ〜。

なんかさ、離れてから1ヶ月でしょ?やっぱりあの男の偉大さを感じないではいられないわけで・・・。
僕がどれだけあのノーテンキな笑顔に救われてきたか、実感しちゃうわけよ。
そういう意味でもホントに偉大なの。何があっても笑っていられるって、ホント、ある種、才能だよね〜。
ま、本人には自覚がないし、もしかしたら単にホントのバカなのかもしれないけど。

あぁ〜あのバカサル、今頃何してんのかな〜・・・。

まぁね、ツアーもあったし、どうせ僕の事なんかこれっぽっちも思い出したりなんかしてなんだろうけど!
あの男は目の前の楽しい事があるとそれに集中しちゃうからな〜。たまにそれが物凄くムカツクんだけど。

「で、何て返信するの?」

グルグルと頭の中で考えてた僕にアベちゃんが聞いてくる。

「え?」

「ソイツ。」

「え〜、アレだけ言ったのに僕の帰る日にち覚えてないやつなんか、しばらく放置!しばらく淋しい思いしてればいいんだよ。」

「ふ〜〜ん。行く先々でアイツの好きそうなお土産買ってる人が何言ってんだか。」

「ちが!!アレは・・・いいな・・・って思ったから・・・。」

「どうせ、『ヒロにいいな』でしょ、アンタの『いいな』わ。」

呆れ顔のアベちゃんは盛大なため息をついて僕に言う。

「そういうアベちゃんだって、結構買い込んだじゃん。」

「アレは、ぜ〜〜〜んぶア・タ・シ・の!!」

高笑いをしながら戦利品を眺めるアベちゃんを睨みつけて、ヒロからのメールを閉じた。

「って言うかさ、大介、太ったんじゃない?」

「えぇ!?」

じろじろと人を上から下まで眺めてアベちゃんが恐ろしい言葉を吐いた。

「太っ・・・た・・・?」

「う〜・・・ん、どことなく?」

「どことなく・・・。」

「服、きつくない?」

ニヤリと笑って言うアベちゃんに、そう言えば・・・と先日感じたあの違和感を思い出す。

「だって、こっち、ご飯のボリュームおかしいでしょ!あんなの毎日食べてたら、そりゃ、ちょっとくらいは・・・さ・・・。」

「あまいわね〜〜。そんなの来る前から解ってた事じゃない。アタシなんか計画的よ〜。食べたいものだけ狙い撃ちだもん。」

豪快に笑うアベちゃんの食生活を思い返してみる。

「これだけ若い男の子達がいるんだもの。食べてくれるわよぉ〜。」

策士な顔で笑うアベちゃん。確かに男の子達にいろいろ装ってあげてるのを見かけたけど・・・アレはそういう事!?
さすがと言うか、なんと言うか・・・呆れてものが言えない。

「後はね〜ちゃんとサプリとかね、用意してきたもの〜。」

いつの間にそんなもの用意してたのか・・・ホントにアベちゃんの強かさには頭が下がる。
それにしても、このくらいなら日本にいる時だって、食べない事もないけど・・・。

あ、あぁ・・・。

サル・・・。

これはお礼を言うべきなのか?アイツのおかげで太る暇もありゃしない。
まぁ、元々日本にいる時はこんなに規則正しい食生活なんて送ったりしてないけど、それでもなんだかんだと僕を食べに連れて出るのは決まってあの男だ。ちゃんと食べないと!!ってしょっちゅう叱られる。
確かに作業に没頭しちゃうと食べる事とかもどうでも良くなっちゃうんだけど。


で、決まってドカ食いするのはヒロと一緒の時で、大抵その後には食後の運動がついてくる。
そうじゃない時だってあの男はそういう事に異常なほど敏感で、すぐに「大ちゃん、太った?」とか「ちょっと痩せたよね?」とか僕自身が気付いてない事だって気付く。
まぁ、本人、そういうものには物凄く気を配ってるし、そりゃあ、あの男の裸なんてこれが40過ぎ?って思うくらいのキレイな身体だから、相当気を使ってるな〜っていうのは解るけど・・・。
だって僕なんか聞いてもちんぷんかんぷんなカタカナの言葉で、ナントカが減るといけないとか、これは摂取しなきゃだめとか。
いいとこ解ったのは筋肉を増やしたら太りづらくなるとか、その程度。もう、そういう部分は全部任せちゃってるから、僕自身が気を配る必要なんてないくらいに、ヒロが全部気にしてくれる。


だからしょうがないじゃん。1ヶ月もいないんだもん。完全に僕の体はフリーダムだったんだもん。
食後の運動だって、してないわけだし・・・そりゃあ太って当然って言うか・・・。


こんな事を考えてたら、なんかちょっとムラムラきた。
そう言えば、あの男はバンドのメンバーとそういう店に行ったらしいじゃん?僕がいないのをいい事に、羽根伸ばしてるらしいじゃん?
ふざけんなよっ!!帰ったら絶対絶対、全部吐かせてやるんだから。

 

 

「だからさ〜、百面相するの止めなさいって言ってるでしょ〜。」

「じゃあ、見ないでよ。」

イライラとムラムラをアベちゃんに八つ当たりして、僕はやっぱりメールを開いた。

「ホラ、なんだかんだ言って返すんでしょ〜。」

「うるさいな〜!」

僕はアベちゃんに覗き込まれないように隠しながらメールを打った。

 

 

 




10/11/14 00:41
From 大ちゃん
Sub ヨッキューフマン!!<`ヘ´>

人の帰る日にちも忘れて羽根伸ばしてるんですか、ソーデスカ!
浮気したらコロス(ー_ー)!!


 −END−

 





あぁ、もう!!正直ヒロ切れ!!!!!


   END