10/12/25 21:11
From 大ちゃん
Sub 終わったよ


メリークリスマスヽ(´▽`)/
これから軽く打ち上げ^_^)/▼☆▼\(^_^)
ヒロはまだ真っ最中かな?
終わったメールしろよ!!

  ―END―

      

 

 

10/12/25  22:29
From ヒロ
Sub メリークリスマス!!

お疲れ大ちゃん!!
オレの方、無事終りました。
これから帰るよ(^o^)/


  −END-

       

 

 

10/12/25 22:31
From 大ちゃん
Sub お疲れ(^o^)丿

そこから動くなょ!!

  −END−

       

 

 

 

そこ動くなよ・・・って・・・?



メールの文章を見つめたまま、そこってどこ??なんて思う。だってもう車の中だし、動くなって言われても車は走ってるし・・・どういうことなんだ?
信号待ちで止まった林さんが固まったままのオレを見て言う。

「どうしました?」

携帯片手にじっとしてるオレはさぞかし変だったろうと思う。とりあえず動くなの言葉通り止まってみたけど・・・って大ちゃんの言う動くなはこんな事じゃないんだろうけど。

「大ちゃんからメール、来た・・・動くなって言われたんだけど・・・。」

「それで固まってたんですか?」

呆れた声で言う林さんにオレはやっと姿勢を崩して苦笑した。

「違うよねぇ・・・そういう動くなじゃないって言うの・・・。」

「そうですね。」

信号が青に変わり、再び車が動き出す。

「あのさ、動くなって・・・大ちゃんがさ・・・。」

「だから車を止めて欲しい、ですか?さすがに道路の真ん中に止めるわけにいかないでしょ。」

「そう・・・だよね・・・。」

もしかしてまだ会場にいると思ってるのかな?それで?
それなら会場にいた方がいいのかな?でもそういうわけにもいかないし・・・。
大ちゃん、なんなんだよ、このメール。

一人悶々としてると、車は通りの片隅に止まった。

「林さん・・・?」

「ファンの子達がたくさんいる中に戻るわけにはいきませんから。メール、してみたらどうですか?」

ハザードランプをチカチカさせてとりあえず止めてくれた林さんの言葉にオレはメールを打ち返す。

 

        



10/12/25  22:35
From ヒロ
Sub 動くなって?

今会場から帰るところだよ。


  −END−



       

 

 

10/12/25 22:38
From 大ちゃん
Sub 指令!!

車を降りて来た道を戻れ


  −END-


       

 




オレは大ちゃんからのメールを林さんに見せた。

「ねぇ・・・これってどういう事?」

「さぁ?でも指令ってなってますからね。」

「・・・だよね・・・。会場に戻っとけって事なのかな?」

「ですかね。」

「もしかして会いに来てくれたりするのかな!!」

「それはないと思いますよ。まだファンの子、いると思うし、そんなところに浅倉さんが来たら大変なことになっちゃいますよ。」

「だよねぇ・・・。」

束の間の希望を打ち砕かれてガックリと肩を落とす。
じゃあ、この指令は一体なんなんだ?
打ち上げ中って言ってたから、もしかしてなんかの余興?

そんな事を考えているとまたメールが届く。
今度はクリスマスイルミネーションを写メで送れって・・・やっぱりそういう事なのか・・・。

「なんかの余興みたい。写メ送ってこいってさ。」

「あぁ、それで・・・。」

やっと納得出来たオレはちょっと待っててと断りを入れ、携帯片手に車を降りた。
こんな日に一人でクリスマスのイルミネーションを撮るなんて思いっきり淋しい人みたいじゃないか。
そうは思っても折角のクリスマスに一緒にいてあげられない後ろめたさも手伝ってオレは表参道のイルミネーションを写メにおさめることにせいを出す。
街路樹が植わっていてなかなかきれいに撮れない。街路樹の途切れるところまで歩いて行って通りを彩っているイルミネーションをカメラに収めようと身を乗り出した。

「よぉよぉ、そこのカッコいいお兄さん。クリスマスに一人ぼっち〜?」

路肩に止められていた車の中から揶揄する声がする。
ムカつく。
オレだって好きで一人な訳じゃない!
早く写メを撮って車に戻ろうと無視を決め込む。

「そこのカッコいいお兄さ〜ん。デートしな〜い?」

何だよ、もう!!うるさいな!!!
ムカつく気持ちでそっちを見ると、

「へ・・・?だい、ちゃん・・・!?」

「ドライブデートはお嫌いですかぁ〜?お兄さん。」

ニヤニヤと笑っている大ちゃんが彼の愛車からオレを見上げていた。

「な・・・っ、何でいるのぉ!?」

ちょっと待て、事態が把握できないよ、オレ。

「なんだよ、いたら悪いのかよ。」

ぶすくれる大ちゃんに違う違うとブンブン首を振って答える。

「折角僕がナンパしてやってんのに、文句言うのか、コラァ〜。」

「い、ちが・・・って、何で?ねぇ、何で?大ちゃん、打ち上げだって・・・ってか、オレの帰り道・・・何でぇ!?」

慌てるオレに大ちゃんはにやりと笑ってみせる。

「世の中にはね、便利なものがあるんだよぉ〜。」

そう言って着メロの鳴る携帯を翳して見せる。

「ん。」

出ろってオレに?

「いいから。」

恐る恐る受け取って電話に出る。

「もしもし・・・?え?えぇぇぇ???」

着信の相手はさっきまで一緒にいた林さんだ。ちょっとそれって、どういう事???

「大ちゃん!?」

大ちゃんはニヤニヤ笑ったまま。
これってそれって、結局??グルだったって事!?

「何だよぉ〜!!」

ガックリうなだれてみせるオレに電話の向こうから林さんの声が。

『それじゃあ貴水さん、あんまりはめをハズし過ぎないようにしてくださいね。おつかれさまでした。』

「え!?え・・・ちょ、!?」

一方的に切れる電話に慌ててさっきまでオレの乗っていた車の方を見ると軽快に走り去っていく事務所カー。

「えぇぇぇ!?」

そんなオレの様子を車の中から笑いながら見てる大ちゃん。

「ちょ、オレ、置いて行かれた・・・。」

途方にくれるオレに笑い続ける大ちゃんが言った。

「これで心置きなくヒロは僕のものだね。」

「え?」

「乗んな。」

「送って・・・くれるの?」

「バ〜カ、デートに誘ってんだよ!!それとも真っ直ぐ帰りたい?クリスマスに。」

ハンドルに上体を預けて上目遣いで聞いてくるオレ様な大ちゃんにやっと意味を理解したオレはブンブン首を振った。

「やだやだやだ!!クリスマス!!うん!!そうだよね!!」

「早く乗れって。」

「うん!!」

オレはカチャリとロックをハズしてくれた大ちゃんの車に急いで乗り込んだ。

 

       

 

 

表参道のイルミネーションを走り抜けて世田谷方面に向かう。これって大ちゃん家の方向・・・?

「ねぇ、大ちゃん家?」

行き先の解らなかったオレは運転している大ちゃんに聞いた。

「何?どっか他に行きたい?」

「うんん。そうじゃないけど・・・何処に行くのかな・・・って。」

信号のところについている標識を見るとやっぱり世田谷方面。

「僕だけね、お酒飲めないの、不公平じゃない?」

「あ・・・運転・・・。」

「そ。それにね、お店だと閉店時間気にしなきゃなんないでしょ?一応人の目もあるしね。そういうところで我慢しながら飲みたい?」

チラリと向けられる視線にオレは大ちゃんの意図するところが解ってカッとなる。

「・・・大ちゃんの、えっち。」

「え?何にもきこえな〜〜〜い。」

そう言いながら変わった信号にアクセルを吹かす。

「家飲みって最高の贅沢じゃない?」

ふふふと笑ってそんな事を言う大ちゃん。
確かに一番気を使わなくていいのは互いの家以外にない。一応ゲーノージンだしね、オレら。大ちゃんの金髪は目立つし。

「オーケー?貴水さん。」

大通りへ曲がる方へウィンカーを出しながら一応確認を取ってくる。ウィンカーを出してる時点でもう決定じゃんなんて思ったけど。軽く頷くオレに大ちゃんはニヤリと笑っていった。

「家族団らんのクリスマスって、憧れてたんだよね〜。」

「え?」

「何にもなくてもさ、家族がその場に揃って同じもの食べて・・・ってやっぱりいいよね。」

そう笑って言う大ちゃんに、オレはこの時初めてその真意に気付いた。

もしかして・・・オレに気を使ってくれた?
毎年イベント事を楽しみに計画を練るオレが、今年は自分の事で手いっぱいで何にもしてあげられなかったから・・・。

クリスマスの約束も何にも出来なくて、もちろん大ちゃんにだって仕事が入ってたし難しいことは解ってたけど、でも大ちゃんはこうして時間を作ってくれた。それもオレが一番気を使わないで済むやり方で。
車の運転を理由に家飲みしたいとか、オレに何も明かさないで林さんに約束を取り付けたり、それは全部オレを気遣って・・・。


大ちゃん・・・どうしよう、今ものすごく大ちゃんの事抱きしめたいよ。



運転中だから我慢するけど、でも家に着いたら真っ先に抱きしめてもいいよね?

「何にもないから途中でコンビに調達だからね。」

そんな事を言いながら車を走らせる大ちゃん。こんなクリスマスも悪くないよ。

「ね、一緒に買い物するってほんとに憧れの夫婦みたいだね。」

「バッカじゃないの?また変な夢見てるんでしょ。ほんとに家の中何もないの!!ずっと作業に集中してたんだから、何にも片付いてないからね。」

「いいよ。オレとの時間を作る為に頑張ってくれたんだよね〜。」

「言ってろ、バカ。」

照れてぶすくれる大ちゃんをニヤニヤしながら見つめていると、次の信号で容赦ないパンチをお見舞いされた。

 

        

 

 

 

嬉しそうな緩んだ顔しちゃって・・・。


隣に座るヒロは鼻歌なんか歌っちゃって、全く順応性が高いって言うか、何て言うか・・・。
そのくせ痛いとこ見透かしててやんなる。


そうだよ!!一生懸命仕事終らせましたよ!!
この日を空ける為にヒロからの誘いも断って、じっと我慢してましたよ!!
だってクリスマスだよ?恋人がいるのに一人のクリスマスなんて淋しいじゃない。


仕事だって解ってるけど、それでもさ、時間なんて作れば作れるんだよ!
例えどんなムリなスケジュールでもやるって決めれば、ね。ヒロの為だって思えばね。


でもさ、あんまり期待してると本気でやっても間に合わなかった時は相当凹むからさ、期待持たないようにムリだしねって自分の中では折り合いをつけるけど、でもムリになんてさせない!!って勢いで頑張ったんだよ!悪いか!!


毎年ヒロがいろんな事してくれるの、ホントはとっても嬉しくて、今年はゴメンねって言われた時、ホントはすっごいショックだったんだよね。
で、気付いたの。そう言えば、僕からなんかしたことなかったかもって。
イベント好きのヒロがいろいろ企画してくれるおかげで僕は全然そういうのしないで済んでたから、いっつもイベントを受身でしか味わってなかったな〜って。だからたまには僕がヒロをビックリさせるのもいいかもって思ったんだよね。


で、そうなれば計画は徹底的にしないとね、ってことで、林さんにも手を回して、アベちゃんも黙らせてやっともぎ取ったオフなんだから。
ほんとはさ、どっか綺麗なクリスマスっぽいお店で夜景でも見ながら・・・なんてことも考えたんだけど、やっぱりそういうのはヒロの領分で。
それにお互い仕事の事もあったから時間が確約できないなって言うのもあったし、それだったらヒロが絶対やらないような事をした方がって思ったの。
イベントの形にこだわるヒロは絶対に家に篭もって・・・なんて事は計画しないだろうし、そう考えると家飲みは結構いろんな利点がある。
人目につかないし、帰ることも考えなくていいし、眠たくなったらすぐに寝れる。
どんな格好で飲んだって誰にも文句は言われないし、それに仕事終わりの格好のままって、僕は結構ダメなんだよね。シャワーだけでも浴びてオフィシャルとプライベートを区切りたいって言う気持ちもあって。
ヒロにならさ、もう全部見られてるし、見せたっていいしって思ってるから、それこそ歳相応の僕を見せてもね。
ま、それでもこの男は僕の事天使とか言うんだけどさ。目の手術したくせに絶対直ってない。てか、それは脳ミソに問題があるのかもしれないけど。


で、提案した家飲みをヒロは相当気に入ってくれたらしく、今も勝手にくつろいでる。
さっきコンビニに寄った時だって、ニヤニヤしてるからなんだろうって思って聞いたら、こういうの実は憧れてたとかコソコソ言ってきてさ。全く、僕までにやけそうになった。そうだよ、僕だって憧れてたよ!!

ま、端から見たらただの男友達が夜中にコンビニに買い物来てるだけなんだけどさ。
僕達にとってはスーパーに今晩のオカズを買いに来てる夫婦と感覚は一緒なわけよ。
やっぱさ、憧れるよね〜。いつだったか一緒に鍋とか作った時も、まるで新婚家庭みたいでさ、こういうの絶対にありえないけど、いいよな〜なんて思ったりしてさ。仕事なのにもうそんな事忘れちゃうくらい楽しかった。

実際のところ、こうして泊まりに来たりするくらいが関の山で、一緒に暮らすなんて到底ムリだけどね。生活時間が違うからさ。
だから余計にこういう時間が幸せだな〜って思うんだよね。



それぞれにシャワーを浴びてサッパリした後、コンビニで買ってきたお酒やおつまみを出して、そして一応準備しておいたケーキとチキンを出して、何となくクリスマスの装い。

「大ちゃん、ちゃんと用意してる!!」

なんてヒロはまた嬉しそうに言った。
もちろん!この浅倉様に限ってヒロとのことにぬかりはないです!!

「一応クリスマスだしね〜。気分だけでも盛り上げようと思って買ってみたの。だからちょっと2人じゃ少ないかな。」

そんな事言い訳しながら、でもきっとそんなのヒロには見透かされてるんだろうけど。

「半分しよ!」

いそいそと肉を切り分けるヒロはまた鼻歌を歌う。クリスマスって言葉が聞こえるからクリスマスソングなんだろうけど聞いたことないなぁ。

「ね、それ何の曲?」

「ん?コレ?今回のライブで歌ったの。」

「へぇ〜。」

静かにヒロの歌声に耳を傾けると、ヒロはそのままいくつかクリスマスソングを歌ってくれた。

「やっぱりいいね〜〜。クリスマスに貴水さんの声を聞くのは〜。天使の歌声かと思っちゃったよ〜。」

「あははは。嬉しいね〜そんな事言ってくれちゃうなんて〜。オレはいつでも大ちゃんの天使になりますよ〜。」

イケメンな天使は真顔でそんな事を言ってくれたり。
やっぱりクリスマスは特別な日なんだね〜。

チンとグラスを合わせて乾杯をして、ささやかなクリスマスパーティーの始まり。足元には愛犬たちが寝転がってて、ほんとに家族団らんって感じ。
やっぱりいいよね、こういうの。憧れるよ。僕の生活の中にヒロがいて、愛する子供達がいて・・・。ちょっと変わってるけど、これだって幸せなひとつの形だよね。
こうして寄りかかれる相手がいるって事が何よりの幸せ。
僕はヒロの肩に頭を預けてウットリと目を閉じた。

 

       

 

 

大ちゃんがコテンと頭を預けてくる。何だかやっとクリスマスみたいな、恋人同士の時間みたいな。

「普通の恋人のクリスマスみたいだねぇ。」

小さく笑ってそんなことを言うから、オレはおもわず大ちゃんの顔を覗きこんだ。

「普通の恋人じゃないの?オレ達。」

「普通って、40過ぎのオッサン二人がこうして寄り添ってるのが?」

おかしそうに歪められた視線の奥に大ちゃんの背負ってるしがらみが見え隠れする。それはオレだって同じだけれど。

「いつまでこうして一緒にいれるかなぁ…。」

オレの手をポンポンと叩きながら大ちゃんが呟く。

「ずっとに決まってるじゃん!!」

「ヒロはノーテンキだねぇ。ま、そこがいいんだけどね。」

笑った大ちゃんをぎゅっと抱き締めてオレは願った。

「サンタさん!!オレに大ちゃんを全部ください!!ずっとずっと大切にしますから、大ちゃんをください!!」

「アハハハ、ヒロって。」

笑い転げる大ちゃんに

「本気だよ!!」

って睨んでみせる。

「ヒロには敵わないなぁ〜もぉ。」

「そうだよ!!大ちゃんがオレに意地悪するのも、ホントは淋しくて不安だからだって知ってるんだから!!」

「ブッ…!!」

ニタっと笑ってみせたら大ちゃんから強烈なパンチが飛んできた。

「誰がそんなことを言いました?え?」

グリグリとこめかみにゲンコツをねじ込まれて痛さに悶える。

「イタタタタタ!!ギブギブギブ!!大ちゃん!!」

「アハハハ、大人をからかうんじゃないよ、もう。」

あまりの痛さに涙を拭ったオレを嬉しそうに見てる大ちゃんは、小さくひとつ息を吐くとオレの頭をまるで犬にするように撫でた。

「ありがとね、ヒロ。僕と出会ってくれて。」

「大ちゃん…。」

「ヒロがいれば僕は頑張れるよ。」

あまりの温かい言葉に、さっきとは別の涙が溢れてくる。

「大ちゃんサンタが優しい…。」

鼻をすすりながらヘヘヘと笑うと大ちゃんはオレの頭を軽くペチっとはたいた。

「いつも優しいだろ。」

「そうでした。」

笑いあって再び寄り添ってこの幸せな時間を噛み締める。

「こういうクリスマスもいいね。」

「だろ?」

「ありがと、大ちゃん。」

「どういたしまして。」

オレ達は満ち足りた気分のまま、しばらくそのままそうしていた。

 

      

 

 

「ちょっと、ヒロ!!こんな所で寝たら風邪ひくよ!!」

お酒のせいか疲れのせいか、ちょっと目を離した隙にそのままうとうとしていたヒロを揺さぶりながら言った。

「ん・・・大ちゃん。」

「ホラ、ちゃんとベッドで寝る。」

「一緒にね。」

ニヘラとした笑顔で僕を見上げながらヒロが笑う。

「僕も後から行くから。」

「やだ。大ちゃんの後からはいつになるか解んないでしょ?今!今すぐ一緒に寝よ。」

「子供か!」

「子供だよ〜。だから、大ちゃんサンタからプレゼントが欲しいなぁ〜。」

キスをねだる口でそういうデッカイ子供。
まぁ、しょうがない。今日はクリスマスだもんね。
僕はその唇に軽いキスを落としてやる。

「解った。もちろんヒロも僕にプレゼントくれるんだよね?」

そう言ってベッドルームへと歩き出すとヒロは嬉々としてその後をついてきた。
ベッドに潜り込みトントンと空いた隣を叩いてみせる。

「ヒロ。」

呼ぶとまるでジョンがダイブしてくるみたいにベッドに潜り込んできた。

「大ちゃん。」

耳元で囁かれてその甘い声にくすぐったくなる。
ぎゅっと僕を抱きしめたままのヒロは僕の首筋に幾度となくキスを降らせてくる。

「ヒロ。」

「プレゼント、ちょうだい。」

そう言って再びキスを送ってくる。

「ちょっとヒロ、重いよ。」

「うん。」

落とされるキス。

「もぉ、重いってば。」

「・・・うん。」

きゅっと抱きしめられる。

「ねぇ、ヒロ。」

「・・・ん。」

「聞いてるの?重いよ。」

「・・・ん。」

「重いってば、ヒロ。」

「・・・。」

「ヒロ?・・・ヒロ!!」

耳元に微かに聞こえる・・・寝息。

「寝てんのかよ!!もぉ!!」

一気に甘い気分も吹き飛ばされて、そうなるとただ重いだけのヒロの体重を本来の力で押し戻す。

やっぱり寝てる・・・。

「もぉ!プレゼントは!?」

幸せそうな顔で眠るヒロを睨みつけてそう吐き捨ててみるけど・・・しょうがない。ヒロも疲れがたまってるんだよね。
久しぶりに眺めるヒロの寝顔に苦笑して、再びヒロの隣に寝転ぶ。

「お前はのびたか。」

鼻の頭をぱちんと弾いてみても一瞬眉根を寄せただけで目を覚ましそうにない。
無防備に眠る恋人の顔を眺めながら今度は僕がきゅっと抱きしめ返す。

「この借りは高いからな。起きたら覚えとけよ。」

聞こえてないだろう耳元に囁いてそのまま頬にキスをする。
相変わらず幸せそうな顔を見せる恋人の顔を瞼に刻みこみ、こんなクリスマスも悪くないと、僕もゆっくりと瞼を閉じた。


いつもと変わらない幸せ。
だけどほんのちょっと特別にしてくれる、それはクリスマスの魔法・・・。

Happy Merry X'mas・・・