08/12/23 14:46
From ヒロ
Sub がんばれ〜〜〜!!!!!
大ちゃん、おはよ!!(^o^)
いよいよだね!!!
緊張してる?
リラックスして!!
大ちゃんなら大丈夫!!(^o^)
この前、オレに聞かせてくれたあの曲、とってもステキだったよ!!!(^o^)
自信持って!!!!!
がんばれ、大ちゃん!!!!!(^o^)丿
−END−
08/12/23 14:48
From 大ちゃん
Sub メールありがと!!(^_^)
誰にものを言ってるのさ。僕だよ?
大丈夫に決まってるじゃん!!(@_@)
な〜〜んてね(笑)
もう、そう思わないとやってられない!(>_<)
胃に穴が開きそうだよ!!
助けて〜〜ヒロ〜〜〜(T_T)
−END−
08/12/23 14:52
From ヒロ
Sub 珍しい!!
大ちゃんがそんなになってるの、珍しいね!!(^_^)
なんか新鮮!!
大丈夫だよ(^_^)
大ちゃんにはオレがついてるじゃない!!(^o^)
困ったら、オレが歌ってあげるよ!!(^_^)
−END−
08/12/23 14:55
From 大ちゃん
Sub ヒロぉぉ〜〜
マジでお願い・・・(-_-;)
−END−
08/12/23 14:58
From ヒロ
Sub OK!!(^o^)/
お安い御用だ!!(^o^)/
ちゃんと出来るよ!!
大丈夫!!
楽しんで!!
ステキなご褒美、用意して待ってるよ!!(^o^)
−END−
・・・19:00・・・
「よし!!」
電話を切って、気合を入れる。
これで大丈夫。ちゃんと予約は出来てるし、ちょっとなら待っててくれるっていってくれた。
営業時間を越えてのお願いに、最初は難色を示してたけど、そこをなんとか!!って食い下がって、やっと取り付けた予約だった。
大ちゃん、喜んでくれると良いけど・・・。
有無を言わさず連れ出そうと画策してるオレ。大ちゃんが途中で臍を曲げないと良いけど・・・。
って・・・それより怖いのはアベちゃんか・・・。
まぁ、ディナーショーはほとんどが身内のスタッフで行うみたいだし、多少オレがわがままやっても大丈夫かな〜〜なんて・・・甘いか?
でも、せっかくのイベントだし、一日早いけどさ、大ちゃんの喜ぶ顔が見たいよ。そのためにはオレだって、がんばっちゃうよ!!
準備は万端!!後はお姫様を攫いに行くだけ。
今ごろ、ドキドキしながら出番を待ってるのかな?
あぁ〜〜オレもドキドキしてきた!!!
神様!!どうかうまく行きますように!!
「よっしゃぁ〜〜!!」
体育会系に掛け声をかけて、オレは大ちゃんのいる舞浜へ車を走らせた。
・・・21:45・・・
「お・・・終わったよぉ〜〜〜。」
会場を後にした途端、どっと力が抜ける。
あぁ〜〜〜今年も緊張した〜〜〜。
年末最大の緊張するイベントを終えて、これでもう今年もお終いだ〜なんて思いながら、控え室にしているホテルの一室に戻る。心なしか足元が・・・(苦)
そのくらい緊張しちゃうんだよね。
楽しいんだけどさ。同じくらいプレッシャーがかかる。
自分の曲じゃないものもたくさんやるし、クラシックはホントに・・・奥が深いよね・・・。
でもこの緊張が年末の恒例行事になっている。これがないと年が越せない。
僕って病気かな?
アベちゃんなんかに言うと、あんたの病気は今に始まった事じゃないなんて言われちゃうんだけどね。ごめんね、病気で!!(笑)
いつもよりも全然少ないスタッフにおつかれさま〜と挨拶をしながら、部屋のドアを開ける。
???
電気がついてる。
僕、つけて出たっけ???
「お疲れ!!大ちゃん!!」
「ヒロぉぉ〜〜〜!?」
部屋の中には、信じられない・・・ヒロがいる。
まさか本当に楽屋で5分って言うのを信じて来たわけじゃないよね?
僕・・・夢でも見てるの???
って言うか、本気!?
「ちょっとアンタ、何でいるのよ!!」
アベちゃんのいや〜〜〜な顔。
「大ちゃんを攫いに来ました!!」
あぁ・・・やっぱり夢じゃない。こんなしょうもない事言う奴、他に知らない。
「はぁ!?またそんな事言ってるわけ!?」
「大ちゃん借りてくよ!!良いでしょ?30分くらいで返すから!!時間ないんだよ!!ね?お願い!!」
アベちゃんを拝み倒して、マシンガンのように一方的に理屈を並べて、ヒロは僕の手を取った。
「行くよ!!大ちゃん。」
「え!?ヒロ!?」
「コラ!!待ちなさい!!」
アベちゃんの制止も振り切って、ヒロは僕の手を取ったまま部屋から僕を連れ出した。
「ちょっと!!」
衣装を着替える間も与えられずに部屋から連れ出され、地下駐車場に止めてあったヒロの車に乗せられて、いきなりの急発進。ホントになんなんだよ!!もう!!
「時間、30分しかないから、大急ぎだね!!」
そんなセリフを嬉しそうに口にする。
30分って・・・それだって、了承を得たわけじゃないって事、気付いてんのかな?コイツは。
「すぐだからね。すぐ。」
そう言って車をしばし走らせる。
どこに連れて行かれるのか、どうせならこのキラキラしたお城のあるところに行きたい!!って思う僕はげんきんなのかな?
って・・・こっちに行ったら海じゃないの!?この先に何があるのさ。まさか、この寒いのに30分も海を見て、恋人同士の語らいとか言うわけじゃないだろうな!?
凍え死ぬって!!それじゃなくても、僕、薄着なんだけど!!衣装のままなんですけど!?ちょっとヒロぉ!?
ほんの5分くらい?ホントにすぐに車はどこかの駐車場らしき所へ入って行く。
ヒロがエンジンを切ってシートベルトを外したところを見ると・・・ここが目的地!?
「大ちゃん、いこ!!」
茫然としてる僕を他所にヒロはさっさと歩いて行って・・・。
「ちょっと、待ってよ!!」
僕は薄着のまま、ヒロの後をついて行くしかなくて・・・。
すると広い空き地に立つヒロの姿の先に・・・
えぇぇぇぇ!?
何アレ????
ちょっと、どう言うこと?????
ヒロが手招きしてる。
こっちに来いって事だよ、ね・・・。
もしかして・・・・
アレに乗るのぉぉぉ?????
僕の目に映ったのは、真っ白い機体の一機のヘリコプターだった。
ヘリコプターは轟音を上げながらふわりと浮かび上がった。
機内は想像していたよりも全然キレイで、ぽかぽかと温かかった。
「一日早いんだけどね、クリスマスプレゼント。」
そう言って笑うヒロ越しに、東京湾の暗い影が見える。音が凄くて怒鳴りあわないと聞こえない会話に、必然的に距離が近くなる。耳元に近付いて、それでも大声でゆっくりと会話する。
どんどんどんどんヘリコプターは高度を上げていく。すると眼下にディズニーランドが一望できた。
「ヒロ!!すっごい!!ディズニーランド上から見れるなんて!!地図みたい!!入口で配ってる地図みたいだよ!!」
窓にへばりついて、アトラクションをひとつづつ確認する。
そんな僕の後ろからヒロが肩に手を乗せて、寄りかかるようにして聞いてくる。
「大ちゃん、楽しい?」
「うん!!」
嬉しさのあまり勢い込んで振り返ると、間近にヒロの顔。
あまりの近さにドキッとする。やんわりとヒロを離して、操縦席を見る。
「大丈夫だよ。この音で会話の内容なんて聞こえないし、それに夜景でテンションが上がれば、みんなこうなるよ。」
確信犯的な微笑みで僕を見るヒロの目に僕が映りこんでいる。
キラキラと光る地上の星。いつもは車で通り過ぎている街並みを見下ろす。幻想的な風景。決して見る事の出来ない光達。東京ドーム、新宿のビル群、六本木ヒルズ、東京タワー、レインボーブリッジ・・・。お台場の観覧車も、大きな皇居の暗闇も、総てが僕達の足元にある。
「きれい・・・。」
思わず漏れる溜息に、そっとヒロが僕の手を握る。優しい微笑み。するとヒロがすっとグラスを差し出す。
「?」
「乾杯しよ。」
そう言って小さなスパークリングワインを取り出す。
小さな泡を幾つも煌めかせながら、僕のグラスにワインを注ぐ。ボトルを受け取り、ヒロのグラスにも・・・。
乾杯をしようとグラスを傾けると、ヒロがちょっと待ってと、グラスを引いた。
操縦席に一言二言声を掛けると、鳴り続けていた轟音が止まった。
音もなく空中に浮かぶ僕達。
「一日早いけど、メリークリスマス。」
そう微笑んでグラスを傾ける。
チンと軽やかな音が機内に響く。
「やだ・・・ヒロ・・・カッコよすぎる・・・。」
「惚れ直すだろ?」
わざとらしくオーバーにリアクションをとりながら、気障っぽくワインを口にする。操縦席を気にしての事。ホントに惚れ直しちゃうよ。
僕もワインに口をつける。広がる甘い香り。まるでこの空間のように。
僕がワインを飲み下すと、ヘリコプターは再び轟音を上げて動き出した。
地上の宝石箱はキラキラと煌めきながら、僕らを温かく包んでいた。
「やっばい!!30分過ぎちゃうよ!!」
ヘリコプターを降りたヒロが僕を焦らせる。慌てて車に飛び乗って、来た道を戻る。さっきまで見下ろしていた夢の国の明かりを今度は見上げながら、僅かの時間のドライブ。地下駐車場から繋がる直通エレベーターに乗り込んで、ホッと一息つく。
ジャスト30分。アベちゃんの機嫌をこれ以上損ねないようにしなくちゃ。
「大ちゃん、楽しめた?」
ヒロが名残惜しそうに僕の腰を抱きながら尋ねてくる。
「うん!!すっごい楽しかった!!感動したよ!!」
「オレのわがままもたまにはいいでしょ?」
「・・・たまには、ね。」
調子に乗りそうなヒロに軽く釘をさしておきながら、そう答える。
でも・・・。本当に今日のはサプライズ!!たった30分の時間限定のクリスマスクルーズ。
こんな事、考えてくれてたなんて・・・。
ホントにヒロって。嬉しくて涙が出そうだよ。
こういう事してくれちゃうから、わがままもかわいく思えちゃうのかも知れないな。アベちゃんに聞かれたら、それこそ殺されそうだけど。
ホントにホントに素敵な時間をありがとう、ヒロ。
静かに登っていくエレベーター。もうすぐ夢の時間が終わってしまう。
「ねぇ、ヒロ。」
「ん?」
階数表示を見ていたヒロが僕の声に振り向く。その唇に飛びつくようにくちづけて、驚いたままのヒロの中に舌を差し入れる。
甘い、シャンパンの味のキス。
ヒロの味と混ざって、余計に甘く感じる。ヒロもそう思ってくれるといいけど。
エレベーターの速度が緩やかになり、目的階に着く事を知らせると、そっと唇を離した。
「今日のお礼。楽しいクリスマスをありがとう。」
そう言って、先にエレベーターから降りる。一瞬呆けたヒロは、すぐに嬉々とした顔で僕に追いついて後ろから抱きしめてくれた。
どちらからともなく笑みがこぼれる。幸せな時間をそっとそれぞれの胸に仕舞って、僕たちはドアを開けた。
「ただいま〜〜〜。」
一足早いクリスマス。
20081223 END