箱を受け取ったヒロはすぐに

 

 

「開けていい?」

 

 

って言いながら、嬉しそうにチョコの箱を開けた。

 

 

「うわ〜〜〜こんなにいっぱい!!」

 

 

並んでいるチョコを見比べながらその中のひとつを口に放り込む。

 

 

「ん〜〜〜!!おいしい!!

マジでうまいよ、コレ!!大ちゃんの愛情?」

 

 

そう言って笑ってみせる。

 

良かった〜〜こんなに喜んでもらえるなんて思ってなかった。

 

ヒロはチョコの箱を丁寧に仕舞うと、僕の方を見て言った。

 

 

「ねぇ、手、つなご。」

 

 

差し出される手。

 

 

「でも・・・。」

 

 

「大丈夫、みんな自分の事でいっぱいだよ。」

 

 

きゅっと掴まれる手。

 

 

「ヒロ!」

 

 

「誰も気付かないって。大ちゃん、可愛いし。」

 

 

「可愛くなんかないよ!」

 

 

「ほら、そう言うとこが可愛いんだよ。行こ!!」

 

 

ヒロは僕の手を握ったまま、歩き出した。

 

も〜〜ヒロには敵わないな・・・。

 

僕はヒロの横に並ぶとヒロを呼んだ。

 

 

「ヒロ、好きだよ。」

 

 

一瞬ビックリしたけど、ヒロは優しく笑って、

 

 

「オレも大好きだよ。」

 

 

って答えてくれた。

 

僕達は手を繋いだまま笑いあった。

 

 

 

     END