「で、何だってそんなにチョコが欲しいの?」

 

 

ゆっくりと走り出した車内で聞いてみた。

 

 

「子供と競ってるんだよ。幾つ貰えるか。」

 

 

「はぁ?何それ。」

 

 

どうやら、些細な事がきっかけで、それじゃあもてるのはどっちだ?みたいな話になったらしい。

 

全く大人気ないって言うか・・・なんて言うか・・・。

 

 

「で?今、何個?」

 

 

「さぁ。アレ、数えてみな。」

 

 

そう言って後部座席のチョコを指差した。

 

僕はそのチョコを引き寄せ、数えると・・・

 

 

「23個だ。すごい・・・。」

 

 

「それじゃあ、まだ安心できねえな。一クラス分より多く集めないと。」

 

 

学校ではギリチョコだのなんだのってみんながそれなりに持ってくるらしい。

 

こんな事にムキになるカツGって・・・。

 

 

「まぁ、父親の威厳をだな。」

 

 

「ハイハイ・・・。」

 

 

「お!!ヒロにも何か貰っていくか!!居座ったら何か出してくれそーだしな。」

 

 

えぇ!?

 

僕は思わず、

 

 

「ダメ!!!!ヒロん家に居座っちゃダメ!!」

 

 

「チッ!!」

 

 

カツGは舌打ちしてその考えを諦めてくれた。

 

はぁ・・・もぉ・・・・。

 

 

 

 

 

 

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