「運転中なんだよ!!」
通話ボタンを押して最初にそういうと、明るいヒロの声が。
「大ちゃん、運転してるんだ。大丈夫?」
「大丈夫じゃないから、もう切るよ!!」
「待って、待って!!
あの、なんか持たなくてもしゃべれるやつあるじゃん。アレにしてよ。」
持たなくてもしゃべれるやつ???
あ!!ハンズフリー機能の事???
僕は慌てて切り替えて、携帯電話をこの前買ったばかりのドリンクホルダーに入れた。
「ねぇ、道わかる?オレ、ナビしてあげようか?」
「え?ホントに???」
嬉しいヒロの言葉。
ヒロは笑いながら、
「大ちゃんの運転、お手並み拝見させてもらいます。」
なんて言った。
ヒロってば、優しいんだから。